正しいテイスティングを知ることで
その酒(ウイスキーやスピリッツなど)の
味や特性を的確に捉えることができます。
まずはグラスを用意します。
テイスティンググラスが最適です。
形はいろいろありますが、お好みで結構です。
もしもなければ、小さめのワイングラスか
ゴブレット型のビールグラスでもいいと思います。
ただし、透明なものに限ります。
グラスを用意したなら、その中に酒を注ぎます。
仮にウイスキーだとしましょう。
それではウイスキーを注ぎます。
量はシングル(30ml)ぐらいか
もしくはそれよりも少なめがよいでしょう。
最初にするのはスワリング。
グラスをくるくる回すことです。
これにはふたつの意味があります。
一つはウイスキーを空気に触れさせてやることで、
多くの香りを立たせるためです。
もうひとつは、ウイスキーの粘度を見るためです。
粘度が濃い場合、グラスの内側にトロリとウイスキーのスジが残ります。
これをレッグといいまして、
このレッグが長く濃く残るほど粘度が濃い、
すなわち熟成年数が長いということになります。
次にノージング。
香りをかぐことですね。
これはあまりグラスに鼻を近づけないこと。
近づけすぎると、アルコールばかりが上がってきて
ウイスキーの複雑な香りがぜんぜんわかんないのです。
では具体的にどうするか。
グラスを鼻から20センチ程度離し、
大きく円を描きながらゆっくり回して
その通過点で香りをかぐということです。
こんな感じでね。
そうするとその酒が持っている
というか作り出している不思議な香りが漂ってくるんです。
花や蜜の甘味、アーモンドやコーヒーのようなコク
秋風のような爽やかなタッチ
みたいなものがね。
そして、いよいよ飲むぞ!
ちち、ちょっと待ってください。
面倒くさいのう、と思わないでください。
もうちょっと香りを嗅ぎましょう。
今度はグラスを少し近づけて。
といっても、まともに鼻を突っ込まずに。
グラスを少し斜めに鼻に近づけます。
香りはこれで充分、鼻孔に入ってきます。
甘く香ばしいのがもわもわと
欲求を高めたところで。
はい!飲んでください。
口に少量入れたウイスキーを
舌の上で転がします。
転がすというより、下に置いておくだけでいいです。
時間は好みですが、
だいたいそのウイスキーの年数分くらいが適度かな。
12年物なら12秒、という感じで。
そうして少し置いておくと
唾液が口の中に発生します。
そして上あごと舌でゆっくりと
ウイスキーをサンドします。
するとウイスキーがとろ~りと唾液とともに
喉の奥に落ちてゆきます。
絶妙な味がしますよ。
今まで飲んでたのはなんだったんだ?
となるかもしれませんよ。
これが正しい(たぶん)
テイスティングの方法です。