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【バーテンダーのブログ】ビニール傘

ほとんど返してくれないよ。

 

とある店のマスターがぼやいていたのは

雨降りのときにお客さんに渡すサービス傘のこと。

 

雨降りにはなくてはならないサービスがタオルと傘。

タオルは来店の際に濡れた衣服、

腕や頭などを拭ってもらうためのもの。

おしぼりとは別に乾いたフェイスタオルを用意している。

 

傘はお帰りの際にお渡しするもの。

わたしの店で用意しているのは百均の安物。

返却がないのを想定してのチョイスなのだ。

まあ、ないよりはマシという程度。

 

キタ新地には俗称新地傘というのが

たいていどこの店にもある。

これは百均ならぬ一本500円する大型のビニール傘。

百均の傘と違って、のちにも重宝する。

もちろんこちらも

返してもらおうとは微塵も思ってないだろう。

客単価が桁違いのキタ新地では

500円の経費などハナクソみたいなもんだ。

 

だからね、最近は買ってないの。

と、マスターは言った。

 

たとえ百均といえど、バカにならないのだとか。

たしかにそうだろう。

しかし、返してくれるのを期待するのは筋違いだと思う。

本や金を借りるのとはもともと種類が違う。

傘は貸すのではない。

差し上げるのだ。

 

で、買わないのならどうしているのか。

 

ない、と答えるか、

もしくは、お客様の忘れ物傘を渡すらしい。

 

「さすがにマズいのでは?」

「いいのいいの。どうせ覚えてないんだから」

 

それ以上は言わなかったけど、

忘れ物はやっぱりマズいだろう。

 

傘は貸すのではない。

差し上げるのですよ。

 

言えばよかったかなあ。

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