「今日はすごくいいことがあって」
そう語ったバーテンダーは、
仕事帰りのお客さん。
なんでも店内で流していた
レイチャールズのMVに
反応したお客さんがいたそうだ。
レイチャールズは盲目でありながら黒人の魂を歌い、
ソウルの神様とまで言われたカリスマ歌手。
それで、バーボンの先駆者的存在でもある、
オールドグランダッドをダブらせ、すすめたらしい。
レイチャールズの力なのか、
それをたいそう気に入られたそうで、
調子づいた彼は、
同じ仲間のベーシルヘイデンをすすめ、
これまた気に入られて上機嫌、
という流れだそうだ。
ま、なんにしても、
すすめたお酒を気に入ってもらえるのは、
バーテンダー冥利に尽きるわけで、
上機嫌なのも納得。
というわけで、
今回はその二種類のバーボン
ご紹介します。
オールドグランダッド【OLD GRABD DAD】
アルコール度数43度(86proof)6年熟成
アメリカ大統領がまだジョージワシントンの時代、
ベーシル・ヘイデン・シニアが蒸留所を建てた。
家業は受け継がれ、
三代目レイモンドが1882年、
バーボンウイスキーを誕生させた。
彼は祖父への敬愛を込め、
オールドグランダッドと名付けた。
初めて商品化されたバーボンともいわれている。
原料比率は定かにされていないが、
ライ麦の含有率が高く、
ジムビームの倍以上といわれている。
同バーボンは他にも、
オールドグランダッド・ボンデッド(注1)
オールドグランダッド114
の二種類がある。
現在はジム・ビーム蒸留所で造られている。
ベーシルヘイデン【BASIL HAIDEN’S】
アルコール度数40度(80proof)8年熟成
オールドグランダッド用の熟成原酒を
厳選してブレンドした
スモールバッチバーボンウイスキー。(注2)
名前の由来は
オールドグランダッドを世に出した
ベーシル・ヘイデン・シニア氏の名から。
オールドグランダッドと同様、
ライ麦の含有率が高く、
スパイシーな風味があり
軽やかな口当たり。
注1:ボンデッド
ボトルド・イン・ボンド法の略
単一蒸留所で同年ワンシーズンに蒸留された原酒のみを、
政府の保税倉庫で4年間熟成させた後、
100プルーフ(50度)で瓶詰めするという法律。
注2:スモールバッチ
選び抜かれた少数の樽(10樽以下)を
ブレンド(混合)し瓶詰めしたもの。
また一回の生産が少量の場合もこう呼ばれる。