正しいテイスティングを知ることで
その酒(ウイスキーやスピリッツなど)の
味や特性を的確に捉えることができます。
まずはグラスを用意します。
テイスティンググラスが最適です。
形はいろいろありますが、お好みで結構です。
![様々な形のテイスティンググラス](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/grass3edited.jpg)
【テイスティンググラス】
もしもなければ、小さめのワイングラスか
ゴブレット型のビールグラスでもいいと思います。
ただし、透明なものに限ります。
グラスを用意したなら、その中に酒を注ぎます。
仮にウイスキーだとしましょう。
それではウイスキーを注ぎます。
量はシングル(30ml)ぐらいか
もしくはそれよりも少なめがよいでしょう。
最初にするのはスワリング。
グラスをくるくる回すことです。
![グラスをくるくる回している図](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/grass2-e1498484592417.jpg)
【スワリングの図】
これにはふたつの意味があります。
一つはウイスキーを空気に触れさせてやることで、
多くの香りを立たせるためです。
もうひとつは、ウイスキーの粘度を見るためです。
粘度が濃い場合、グラスの内側にトロリとウイスキーのスジが残ります。
これをレッグといいまして、
このレッグが長く濃く残るほど粘度が濃い、
すなわち熟成年数が長いということになります。
![グラスにレッグがついたイラスト](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/grass5-e1498484727735.jpg)
【レッグの図】
次にノージング。
香りをかぐことですね。
これはあまりグラスに鼻を近づけないこと。
近づけすぎると、アルコールばかりが上がってきて
ウイスキーの複雑な香りがぜんぜんわかんないのです。
![グラスに鼻を近づけすぎた悪いテイスティングのイラスト](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/tasting1.jpg)
【悪いテイスティング】
では具体的にどうするか。
グラスを鼻から20センチ程度離し、
大きく円を描きながらゆっくり回して
その通過点で香りをかぐということです。
![グラスをくるくる回してお酒の匂いを嗅ぐノージングのイラスト](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/image.jpg)
【ノージングの図】
こんな感じでね。
そうするとその酒が持っている
というか作り出している不思議な香りが漂ってくるんです。
花や蜜の甘味、アーモンドやコーヒーのようなコク
秋風のような爽やかなタッチ
みたいなものがね。
そして、いよいよ飲むぞ!
ちち、ちょっと待ってください。
面倒くさいのう、と思わないでください。
もうちょっと香りを嗅ぎましょう。
今度はグラスを少し近づけて。
といっても、まともに鼻を突っ込まずに。
グラスを少し斜めに鼻に近づけます。
![グラスを斜めにかざしてのテイスティングのイラスト](http://web-barman.net/wp-content/uploads/2017/06/grass6.jpg)
【テイスティング】
香りはこれで充分、鼻孔に入ってきます。
甘く香ばしいのがもわもわと
欲求を高めたところで。
はい!飲んでください。
口に少量入れたウイスキーを
舌の上で転がします。
転がすというより、下に置いておくだけでいいです。
時間は好みですが、
だいたいそのウイスキーの年数分くらいが適度かな。
12年物なら12秒、という感じで。
そうして少し置いておくと
唾液が口の中に発生します。
そして上あごと舌でゆっくりと
ウイスキーをサンドします。
するとウイスキーがとろ~りと唾液とともに
喉の奥に落ちてゆきます。
絶妙な味がしますよ。
今まで飲んでたのはなんだったんだ?
となるかもしれませんよ。
これが正しい(たぶん)
テイスティングの方法です。