バーテンダーになる人は
たくさんのことを覚えていきます。
カクテルの作り方やその手法、
技術的なこともそうですし、
知識も必要です。
カクテルレシピを覚え、
さらに完成度を高めるべく
レシピをオリジナリティなものに
変化させていくことも重要です。
一例をあげてみましょう。
ショートカクテルで
ホワイトレディというカクテルがあります。
一般的なレシピは
ジンが二分の一
ホワイトキュラソーが四分の一
レモンもしくはライムが四分の一
となっています。
まず気になるのが
レモンもしくはライム。
レモンとライムでは味が違います。
レモンもしくはライムで
大丈夫なカクテルもありますが、
できればホワイトレディは
ライムを使ってもらいたいです。
(個人的には絶対にライム)
その通常レシピ容量で換算します。
全体量を60mlとした場合、
ジンが30ml
キュラソーが15ml
ライムが15mlとなります。
が……、
このレシピだと
あきらかに酸味が勝ちすぎます。
その点を考慮すると、
できればレシピを変更すべきだと思います。
味の調節は個人の味覚や好みで違うので
なんとも言えませんが、
わたしの店ではまったく違う
オリジナリティなホワイトレディを
提供しています。
これはカクテルレシピの話ですが、
ほかにお酒の知識を考えるとどうでしょうか。
例えばバーボン。
どうして作っていますか。
トウモロコシのお酒です。
こんな説明をお客さんにしていませんよね。
トウモロコシをメイン(全量の51%以上)にした
雑穀(他に小麦、大麦、ライ麦)が原料です。
それを糖化発酵させ発酵液(ビールと呼ぶ)を作ります。
それをさらに蒸留して、
樽(内側を焦がしたオークの新樽)で
最低2年以上寝かせます。
そして割り水を(しないものはバレルプルーフと)して
ストレートバーボンとして市場に出ます。
一番簡単に説明するとこうなります。
もう少し聞きたいようならば、
()の中を入れた説明をします。
さらに聞きたい人は、
工程などを詳しく説明するとよいでしょう。
ようはお客さんがどれくらい知りたいか、
それを察知して、知りたい部分だけ
説明することです。
簡単に聞きたい人に、
ああだこうだと説明しても
うっとうしがられるだけです。
要するに何が言いたいかと言いますと、
知識はお客さんに説明するために
必要だということです。
カクテルを作るのに、
またオンザロックを作るのに
お酒の知識は大して必要ではありません。
お客さんに聞かれたときに答えるため、
ただこれだけです。
だってそうでしょう。
お酒のことをたずねて
答えられないようなバーテンダーに、
お酒を作ってほしくはないでしょう。
ただ、知識は勉強するとキリがないです。
絶対に必要なのは最低限のアウトラインです。
それを、幅広く覚えていくことです。
それをうまく組み合わせて説明することで、
とんでもなく知っているように見えます。
あとは自分の考えに応じて、
専門的な知識を広げていけばよいと思います。
まとめますと、
なぜ知識は必要なのか。
それはお客さんに説明するため。
以上でした。