お酒の種類には何がある?
見習いのスタッフにたずねてみますと、
えーと、えーと、えーと……。
『えーと』が多いのはダメ。
まるで勉強してない証拠ですな。
まず醸造酒から言ってみて?
「えー、ビール、日本酒」
ふむふむ、それから?
「ワイン」
はいはい、で?
「焼酎」
なるほど。
「リキュール」
ここまでくると、もうムチャクチャです。
焼酎、リキュールは醸造酒ではありません。
焼酎は蒸留酒、
リキュールは混成酒。
「あのぉ……」
機嫌をうかがいたずねてきます。
「何?」
「そもそも蒸留酒ってなんですか?」
今さら聞くかね。
ということで、
今回は蒸留酒について。
醸造酒や混成酒は
ちょいと難しいので、
またの機会に。
蒸留酒とは醸造酒を蒸留させたもの。
醸造酒とは先ほどの述べた
ビール、日本酒、ワインなどです。
製品になったそれらを
そのまま用いるわけではないですが、
例えばビールの状態になった醸造酒を
蒸留するとウイスキーになります。
(あくまで簡単に述べると、ですが)
同じように
ワインを蒸留するとブランデーに、
日本酒を蒸留すると焼酎に。
では、蒸留とはいったい何か。
まずビールを例にしますと、
ビールのアルコール度数は約5%前後。
100ccのビールがあったとすると
その内訳は、
純度100%のアルコールが5cc、
それに95ccの水が混ざったもの。
それがアルコール度数5%ということです。
それでは蒸留のしくみを。
水の沸点は100度、
アルコールの沸点は
水より低く78.125度です。
それで5%のビールを熱しますと、
まずビールの中に含まれている
アルコールが先に蒸発します。
そうして先に蒸発したアルコールを
凝縮させます。
すると純度の高いアルコール溶液ができます。
ただし100%ではありません。
だいたい一度目の蒸留で
約20%前後のアルコール溶液が抽出されます。
二度目になると、
それが60%を超えるアルコール溶液になります。
それが蒸留の仕組みです。
わかりやすく説明します。
大衆浴場などで、
背中にぽたりと水滴が落ちてきたこと
ありませんか?
ようは、あれと一緒です。
天井に上った湯気が、
凝縮されて水滴になる。
非常に簡単にまとめましたが、
蒸留という工程、
なんとなくわかっていただけましたか。