カルヴァドス
カルヴァドスは、フランス北部ブルターニュ地方とノルマンディー地方でつくられるリンゴを原料としたアップルブランデーです。
⇒ フランス内におけるノルマンディー地方の位置図はこちらから
また、一定量の洋ナシのブレンドも認められている地域もあります。
ノルマンディー地方には約800種類ものリンゴがありますが、その中でもカルヴァドス用として認められているリンゴは48種類(+数種類の梨) です
カルヴァドスの製法
まずリンゴを収穫し、醸造します。醸造したリンゴ発泡酒はシードルと呼ばれます。
次にシードルを蒸留させます。そうしてできた無色透明のリンゴ蒸留酒はオー・ド・ヴィー・ド・シードルと呼ばれます。
最後にその蒸留酒を樽で最低2年以上熟成(生産域によっては3年) させるとカルヴァドスとなります。
ノルマンディー地方のお酒のまとめ
ノルマンディー地方のお酒の原料はリンゴと洋ナシです。以下、それを整理していきます。
醸造酒
シードル・ペイ・ドージュ
ペイ・ドージュ地域で作られたリンゴを使った醸造酒。ブレンドするりんごの70%が苦味種と甘苦味種のリンゴでなければなりません。
※ ペイ・ドージュ地域とはカルヴァドス県、オルヌ県、ウール県が隣接した地域のこと。
ポワレ・ドンフロン
シードルと同様に洋ナシの絞り汁を自然発酵させて造る発泡性醸造酒です。
シードルと違い、収穫の72時間後にはすり潰し、すぐに発酵の段階に入り、タンクでの最初の発酵は6週間以内です。
オルヌ県の南西部の町ドンフロンで製造します。
蒸留酒
カルヴァドス・ペイ・ドージュ
ペイ・ドージュの地域で製造します。
蒸留時のポワレ(梨ワイン) の混合割合は30%以下にして、単式蒸留器で2回蒸留して最低2年間オーク樽で熟成させることなどが決められています。
アルコール度数は最低40%
カルヴァドス
生産地域は最も大きく、ペイ・ドージュ地域のほかにマイエンヌ県やサルト県、オワーズ県の一部を含みます。
オーク樽で最低2年熟成しますが、蒸留法に規定はありません。多くは半連続式蒸留機で1回の蒸留方法が用いられるようです。
⇒ ARMAGNACTVさんの動画で半連続式蒸留器を紹介されてます
カルヴァドス・ドンフロンテ
ペイ・ドージュ地域の南西、ドンフロンテ地域で製造されます。
蒸留するシードルに、ポワレを30%以上加えて作るカルヴァドス(ペイ・ドージュとは逆) です。半連続式蒸留機で蒸留し、オーク樽で最低3年は熟成させます。最低アルコール度数は40%と決められています。
混成酒
ポモー・ド・ノルマンディー
シードル用のりんごの絞り汁とカルヴァドスを合わせ、樽で熟成させたお酒です。
絞ったりんごの汁にカルヴァドスを加えることでジュースの発酵を止めるという、シェリー酒と同じような造り方です。割合はだいたい絞り汁3に対しカルヴァドスが1。
樽での最低熟成期間は14ヶ月、アルコール度数は16~18%です。