アルマニャックについて
フランスのボルドー地方南に位置するアルマニャック地方で作られるブランデーをアルマニャックと呼びます。
コニャックと同じく、法律で定める基準をクリアした製品はアルマニャックとして販売できます。アルマニャック地方ではコニャック地方より古くからブランデーの製造(1411年~) が盛んでした。
蒸留法は単式蒸溜機を使用するコニャックとは違って、半連続式蒸溜機で1回行われます。1回蒸留のため、2回行うコニャックのエレガントな味とくらべ、全体的に野性的でパンチの強い味わいになる事が特徴的です。
三つのテロワール
アルマニャック地方はその土壌によって原料となるブドウの出来具合が変わります。
① バ・アルマニャック
最も西に位置し、酸性で鉄分が多い粘土砂質の黄褐色の土壌です。フルーティーで繊細な味が特徴的でこのバ・アルマニャック産のアルマニャックが最高級とされています。
② テレナーズ
アルマニャックの中央に位置するテレナーズ。重い粘土石灰岩質の土壌が特徴です。バ・アルマニャックより若干コクが強くなるようです。
③ オー・アルマニャック
地域が南部と東部に広がっていて、石灰質の土壌が特徴です。この地域のブドウ畑はまばらに広がっています。
ブドウ品種
アルマニャックの生産が許可されているブドウは10種類。その中で、ユニブランを主として、フォルブランシュ、コロンバール、バコの4種類が主要品種として使われています。
① ユニブラン
卓越した品種でなおかつ、すべてのアルマニャックテロワールによく適応しています。
② フォルブランシュ
歴史的なブドウ品種であり、ネアブラムシ虫害の被害にあうまではアルマニャックの基準品種でした。この品種は、上品で優雅な原酒を生みます。
バコ
ガスコーニュ地方の最良の品種のひとつで、土着品種のフォル・ブランシュ種とアメリカのノア種の交配によって生まれた、AOCワインで唯一使用が認可された交配種です。
特に病気には他の品種よりも強く、バ・アルマニャックのブドウ畑の大半を占めています。この品種は長い熟成の後に豊かさとまろやかさを発揮します。
コロンバール
この品種は、今日ではコート・ド・ガスコーニュワインの醸造に使用されています。フルーティーでスパイシーな香りはブレンドとしてまれに使われるようです。
※ ガスコーニュとはランスワイン産地区分の南西地方にあたり、アルマニャックはガスコーニュの一部である古い地方名称のことです。