GIN(ジン)

        

BARで定番のジン

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左から、ボンベイサファイア、ビーフィーター、タンカレー、ゴードン

        

できれば揃えたいプレミアムジン

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左から、ヘンドリックス、タンカレー・テン、エギュベル、ブードルズ

ジンの歴史

ジンの起源は、11世紀頃にイタリアの修道士がジュニパーベリーを主体としたスピリッツを作っていたのが発祥とされる説もあります。ただ確実なものとしては1660年、オランダで薬酒として開発されました。アルコールにジュニパー・ベリー(杜松の実) を浸漬後、蒸留し、解熱剤として薬局で販売されました。 名前はジュニパー・ベリーのフランス語ジュニエーヴルを取り、ジュニエーヴルワインとしました。これがイギリスに渡り、名前が縮まってジンとなったのです。
それが19世紀半ば、連続式蒸留器が発明されたことにより、高度数で雑味の少ないスピリッツが得られるようになると、ジンの製法も大きく変わりました。

ジンの製法

ジンは大きく分けて三種類あります

《 ドライジン / ロンドン・ジン 》

まず原材料である、とうもろこし、大麦、ライ麦などの穀物から醸造液を作ったのち、連続式蒸留器で蒸留してニュートラルスピリッツを作ります。それに植物性成分(ボタニカル)を加え、単式蒸留器で再び蒸留して香り成分を溶け込ませます。

ボタニカルとはジンに香りをつける成分のことで、ジン独特の香りは主としてジュニパー・ベリーの香りによるものです。ほかにもキャラウェイ、コリアンダー、アンジェリカ、シナモン、レモンやオレンジの果皮など、各種薬草ハーブ類が使われています。

※ニュートラルスピリッツとはエタノール値を95%以上までに上げた中性スピリッツのことです。

《ジュネバ / オランダ・ジン》

原材料はドライジンと同じく大麦麦芽、トウモロコシ、ライ麦などの穀物が使われます。ただドライ・ジンにくらべて大麦麦芽を多く入れるため麦芽香が強いのが特徴です。それらを糖化・発酵させで造った醸造液を連続式蒸留器ではなく単式蒸留(ポットスチル)で2、3回蒸留しアルコール分が50~60度のグレーン・スピリッツを作ります。

そしてにジュニパー・ベリーなどのボタニカルを加えて、再び蒸留します。単式蒸留器を使うことで麦芽香も生き、濃厚な香味のコクのある味わいになります。

《 シュタインヘーガー / ドイツ 》

西ドイツのヴェストファーレン地方のシュターンハーゲン村で造られるシュタインヘーガー。

その製造方法は、生のジュニパーベリーを1,2週間発酵させ、単式蒸留器で蒸留してジェニパーベリーのスピリッツ(アルコール度約12%)を製造します。それと並行してドライジンと同じように麦芽、とうもろこし、ライ麦などの穀物類から連続式蒸留器で高濃度のグレーンスピリッツを作り、2つのスピリッツをブレンドして、再蒸留することで作り上げます。              

生のジュニパーベリーを使っているので、ドライジンよりも控えめな風味と甘味、マイルドでスムースな味わいが特徴となっています。                

すっきりしすぎず濃厚すぎない、かといって控えめな風味なので飲みやすいジンとなっています。基本的にはオランダのジュネバと近い味になっていますが、位置的にはオランダジンとロンドンジンの中間と言えるのではないでしょうか。

胃を活性化させるのが目的だそうで、本場ドイツでは…

ビールを飲む前にショットグラスで一杯飲む。 そしてビールで冷えた胃を回復させるために再びシュタインヘーガーを飲む。

といった、日本人からするとアル中のような飲み方をしているのを目の当たりにしました。そのときにふと思い出したのは、安物の立ち飲み屋でバクダンと呼ばれる飲み物を愛飲する酔っ払いのおっさんの姿でした。

《 その他のジン 》

オールド・トム・ジン

蒸留酒にまだ雑味が多かった時代の甘口ジン。現在はドライジンに砂糖を2%程度加えて仕上げています。

余談ですが18世紀、ロンドンには猫型のトムジンの自動販売機がありました。猫の口にコインを入れると、足から甘口のジンが出てくる(実際は、裏で人がジンを注いでいた) というので大ヒットしたそうです。オス猫をトム・キャットと呼ぶのに由来しているそうで、現在トムキャットという名のジンがあります。

フレーバード・ジン

ジュニパー・ベリーの他にフルーツといった材料を使い、仕上げた、甘口のジン。日本では酒税法上、リキュール類に分類されます。

再蒸留

そして、ジンの製法に不可欠なのが再蒸留です。再蒸留の工程は、ボタニカルを溶け込ませるのに必修です。再蒸留には主にふたつの方法があるとれさています。

1つ目は、グレーンスピリッツに直接ボタニカルを加えて、ポットスチルで蒸溜していく方法です。例えばビーフィーター・ジンでは、再蒸留をする前に、ボタニカルをグレーンスピリッツに24時間漬け込むスティーピングという作業を行います。

2つ目の方法は、ポットスチルの上部に、「ジン・ヘッド」と呼ばれている上下が金網になった円筒を取り付けて、そのなかにボタニカルを詰めます。こうすることで、蒸溜によって立ち上るスピリッツ蒸気と一緒に香味成分を効率よく抽出することができるのです。

再蒸留にはぶたつの方法があると述べましたが、じつはもうひとつあるのです。それが日本が誇るジャパニーズジン、季の美です。

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